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マオリ語はアオテアロア(ニュージーランド)の島人、マオリ人の言葉です。映画『クジラの島の少女』のちょっぴり冷たそうな海の色に感動したみなさん、この太平洋言語を勝手に覚えて、どんどん使いましょう。


by moananui

22 「ロンゴ」という不思議な動詞について

 言語はどれもそれ固有の「世界の切り分け方」をもっているという考え方は、よく「サピア=ウォーフの仮説」という名で呼ばれています。虹の色を何色と考えるか、雪の種類をどう区別していくか。しかし、もっと根本的な動詞ですら、言語ごとにいわば守備範囲が異なっているようです。

 マオリ語でぼくが不思議に思ったのは rongo という動詞。辞書を見ると、英語のhear, smell, taste にあたるとされています。そういえば日本語でも、「香りを聴く」といいますね。ロンゴは外界からの刺激のインプットを、ひとまとめにしているのでしょうか。

 これがwhakarongo となると、英語のlistenだそうです。そしてwhakaは「〜にむかって」という志向性を表わす単語。訪れる音に注意をかたむけるのが、どうやらファカロンゴなのでしょう。
by moananui | 2005-08-07 20:38